ハード:PCアダルトゲーム
ジャンル:恋愛アドベンチャー
備考:命より大切なものがある
星の数ほどあるPCゲームの中でも、最も美しく一貫した作品。
ただのノベルでゲームとしても面白さも唐突な展開もないが、ただひたすらに物語が美しい。
舞台は、
「巨大隕石によって3ヶ月後に滅亡することが決定した地球」
当然人類は大慌てでシェルターに潜ったり、最後の時間に欲望を満たそうとするわけだが、この物語の登場人物はそうではない。
隕石が迫ろうが、世界が滅亡しようが関係なく、いつも通りに楽しく、バカ正直に生きることを選択する。
学校のみんなと遊んで、温泉を掘って、毎日を楽しく過ごすことを選択し、そして何の奇跡もなく滅びる。
世界の滅亡より日常を大切にする死生観は見事という他ない。
温泉堀りがシェルターの伏線だと思っていた私は、相当汚れていたのだと思う。
隕石衝突後の荒廃した地球でのラストシーンは、本気で感動した。
明日の世界より大切なものとは何か?
何のために生きているのかわからない人は、一度手に取ってみるといい。