カテゴリ:PCフリーゲーム(RPGツクール2000)
特徴:完全にキチガイだが、時に哲学的
<ドグマシリーズ >
・ドグマの箱庭
・引き裂かれたバダール
・もしもポイズンが勇者だったら
・アリスの標本箱
・シューニャの空箱
など
喪太郎氏による喪男(モテない不細工な男)を扱ったゲームシリーズ。
それぞれ別個の作品だが、順番にプレイしないと真価がわからないため、一度に記載。
内容は、はっきり言ってキチガイじみており、卑猥な単語や下劣な行為、不快な性的描写が目白押し。
死体の山がそこら中に転がっていたり、メガテンのマーラ様が増殖していたり、ゴメスが男を掘りまくったり・・・
神経質な人は吐き気を催すため、非推奨。
戦闘は全てツクールデフォ戦のため、特殊な要素はない。
モンスター、アイテム、技名は腐りまくっているため、こちらも万人には勧めがたい。
(全裸や性器を模したモンスターが、すごく気持ち悪い)
このように全体的には酷くカオスで醜い作品なのだが、詩的な表現があちこちに散りばめられており、その深さに感嘆を覚えることがある。
いや、醜いからこそ、直接伝わってくるものがあるのかもしれない。
孤独、憐憫、愛情、怨念、かなしみ、人の心とは実に複雑で美しいものだ。
ドグマ、バダール、ポイズンまではどちらかといえばブ男をネタにしたギャグ系だが、アリス以降でキャラが再登場すると大きく化けるため、順にプレイしないといけない。
正直、アリスの標本箱でイシュタムが再登場した時にはちょっと泣いた。
さらにシューニャの空箱は全作品の集大成であるため、これをプレイしないと終わらない。
市販では絶対にあり得ないゲームだが、近い作品を挙げるなら『サンサーラナーガ2』。
実際にサンサーラナーガの音楽を使っているから、余計そう感じる。
ただし、シナリオとしては『クロノトリガー』が近い。
というか、人類の発祥~滅亡までを描くストーリーは、まんまクロノトリガー。
初期作品からは想像もできないが、この作品の根底は仏教の教えがあり、釈迦ことゴータマが悟りを語ってくれる。
かなしみ(悲しみではない)を超えて生きることが、最終作のテーマかな。
ある意味ではどうしようもないクソゲーであり、またある意味では神の境地に届かんとしている。
まるで人生のように、評価に困る作品だ。