カテゴリ:Web漫画(裏サンデー)
ジャンル:格闘漫画
特徴:漢の漢による漢のための漢らしい殴り合い
「一番面白い格闘漫画は何か?」
と言ったら、バキでもキン肉マンでも北斗の拳でもなく、間違いなくケンガンアシュラを挙げる。
作画・迫力・キャラの全てにおいて高水準であり、最も理に叶った作品であるからだ。
本作は「日本中の大企業が秘蔵の格闘家を出して、最強を決める」という実にわかりやすく男心をくすぐる設定であり、空手・ムエタイ・柔術・相撲などありとあらゆる格闘技を出して、これでもかと読者の闘争心を煽ってくれる。
また、格闘家の主人公とは別に読者視点の主役としてうだつの上がらないサラリーマンを配置し、闘技者を際立たせるとともに、冗談のような出世街道を通じて庶民の成りあがり願望を叶えているのも上手い。
試合は基本的にトーナメント方式であり、主人公以外の試合は誰が勝つか全くわからない。
下馬評では負けそうなキャラが一発逆転することも多い。
決着が予想できないバトルは、やはり面白い。
個人的に評価しているのは、各キャラに毎回名札が付いていること。
基本的に漫画においては、初登場キャラ以外に氏名を表示することはなく、一度登場したキャラは既に認知されているものと扱われる。
しかし、ケンガンアシュラのキャラはちょこっと出ただけでも通称と名前が表示されるようになっている。
阿修羅 十鬼蛇 王馬
タイの闘神 ガオラン・ウォンサワット
美獣 桐生刹那
一目見たら忘れられない個性的なキャラしかいないのに、くどいくらいに名前を表記することに拘っている。
人気投票のためかもしれないが、キャラ数の多い作品では非常にありがたい。
全てにおいてレベルの高い漫画ではあるが、読者に楽しんでもらう工夫が随所に感じられる。
同ジャンルでありながらひたすら期待を裏切ることを信条としている刃牙とは、ある意味対照的だ。
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