二次元桃源郷(アニメ、漫画、ゲーム感想)

作者に配慮した生温いレビューは要らん!駄作は駄作と言え!

オメガトライブ 評価B+ ニートは新人類に進化する

カテゴリ:一般漫画

ジャンル:能力バトル漫画

特徴:ウィルス進化による新たな人類種の創造

 


 

父親に殺されかけた引きこもりの少年晴がオメガウィルスによって進化し、新たな人類種の座を賭けて戦う漫画。

ただのニートだった晴が暴走族を取り込み、警備会社を設立し、日本政府を相手にクーデターを起こすまでの展開は壮大かつ豪快。

日本を崩すために防衛大に入学したり、政治家の秘書から大臣まで駆け上がったり、内閣総理大臣と真剣でチャンバラする展開は、見事としか言う他ない。

 

進化してホモオメガシスになった者達はクロックアップ(加速)など固有の能力を獲得しており、後半はそれを使ったバトルの傾向が強くなるのが残念。

中国の水操作や中東の虫操作なんか、進化というより超能力に見える。

 

バトルはともかく、作品に込められた理念は極めて力強い。

高い画力もあいまって一つ一つの言葉に重みがあり、ただの漫画でありながら多くのことを学ばせてくれる。

 

・一匹狼は負け犬ではなく、集団から離れることで新しい群れを作る役割がある

・引きこもりは自分で引きこもっているのではなく、社会によって隔離されている

・快楽を求める脳は生物を進化させるが、楽を求める脳は絶滅に至る

・人間にとって一番大切なのは空気でも水でもなく、生きる意思

・親は子を殺してはならない

・子は親を殺してはならない

 

シナリオ、キャラ、セリフ、バトル、グロ、政治描写など、ありとあらゆる点が刺激的。

なのにラストの展開だけが残念。

確かに旧人類は滅亡して新しい人類は誕生したけど、読者の目指した進化とは違う気がする。

前半の出来が神がかっているだけに、最後の打ち切り展開が勿体ない。

もしかすると、政治的圧力でもかかったのかな?