二次元桃源郷(アニメ、漫画、ゲーム感想)

作者に配慮した生温いレビューは要らん!駄作は駄作と言え!

君の名は。 評価D+ 評判のわりにつまらない凡作

カテゴリ:アニメ映画

ジャンル:入れ替わり恋愛映画

特徴:作画以外誉めるところがない

 

 

大ヒット映画ということで観てみたが、非常につまらない作品だった。

映像だけは非常に綺麗で、宮崎アニメのような本当の駄作に比べればいくらかマシではある。

しかし、これが近年のトップと言われると、首をかしげてしまう。

 

入れ替わりというのはごくありふれたテーマで、近年でも「ココロコネクト」や「山田くんと7人の魔女」といったアニメで男女の身体が頻繁に入れ替わっている。

タイムトラベル作品はそれこそ山のようにあるので、本作のテーマには全く新鮮味がない。

新鮮でなければ悪いというわけではないのだが、それ以外にも特に魅力を感じる所はなかった。

 

・恋愛要素

二人がいつ恋仲になったかわからず、どちらにも感情移入できない。

特に瀧は乳を揉んでいただけなのだから、普通嫌われそうなものだが。

交換日記ぐらいしか交流のない相手が、どうして両想いになるのだろうか?

 

・彗星の衝突

とにかくリアリティがない。

地球に甚大な被害をもたらすほど接近して、なぜ専門家は危険を察知しない?

肉眼で確認できるほど接近したらもう逃げる時間はないはずだが、なぜ助かった?

隕石の衝突により広域に土砂が広がることを考えると、少々逃げたところで被害は避けられないと思うのだが。

 

・超常現象

作品の根幹となる入れ替わり・タイムスリップについては、わざわざ突っ込むべきではない。

しかし、別次元にいるはずの二人が出会ったり、名前の記憶が優先して消えたり、急に止まった入れ替わりがお神酒で発動したり、ヒロインに死んだ記憶があったり、なんとなく納得の行かない点が多い。

基本設定ぐらいちゃんと作れと言いたい。

 

・問題の解決

最終的に父親を説得して町民を避難させたはずだが、それに関する描写が全てカットされている。

頑固な父親をどうやって説得したのか、親子のわだかまりは解消したのか、重要な所がさっぱりわからない。

ご都合主義を批判する気はないが、せめてクライマックスは書いてくれよ。

もしかしたら原作で補完されているかもしれないが、映画単体では描写不足にも程がある。

 

全体的にツッコミどころが満載だが、特に彗星が迫っている時に呑気に「君の名前は?」なんて言っている神経が理解できない。

名前なんかノートかスマホに書いておけばいいだろ。

手にマジックで書いて消えないんだから、どうにでもなるはずだ。

そんなことより、今まさに迫っている生命の危機に集中するべきではないか?

 

圧倒的に力の入った作画だけは感心するが、カレンダーすら確認しない登場人物の頭の悪さと、物理的におかしい彗星の動き、キングクリムゾンのごとく吹っ飛ばされた親子関係など、あまりにも脚本の粗が目立つ。

こんな作品が興行収入100億円と言うんだから、アニメ映画界はよほどレベルが低いのか。

それとも所詮映画の興業は広告マーケティング次第で、作品の質は関係ないと言うことだろうか?