カテゴリ:一般漫画
ジャンル:メイドコメディ
特徴:完全に気が狂っているが、なぜか美しい
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「ばくおん!」で有名になったおりもとみまな氏の漫画。
変態だらけの「チャンピオンRedいちご」の中でも、一際輝いていた怪物。
元々エロ漫画家だけに性的描写も強いが、それ以上に下ネタギャグが強烈。
そのアクの強さは、ばくおん!や魔法少女猫など比べ物にならない。
見た目が可愛いからといって、うっかり子供に見せると大変なことになる。
主人公の井上成美はなかなかに可愛い女装男子だが、メイド女子高の仲間やお嬢様、自動車会社のCEOといった面々が全てメイドへの歪んだ理想像を持っており、それに感化されながらメイドとしても男としても成長していく。
彼等によるとメイドは日本が誇る最高の文化であるとともに最強の戦士であり、メイドの働き次第で太平洋戦争に勝てていたらしい。
実際にメイドがチハ戦車に乗って米国最新戦車のエイブラムスを撃破するあたり、頭がおかしいとしか言いようがない。
どんなに狂った思想でも堂々と宣言することで、わけのわからない説得力を作り出している。
性的描写の苛烈さは、おそらく一般漫画誌でもダントツのトップ。
下手な成年漫画より露骨な下ネタが多く、ジャンプなら確実に掲載不能。
有害図書に指定されていないのが不思議なくらいである。
お嬢様の放尿を正面から受け止めたり、
両性具有の少女に主人公が犯されたり、
執事学校の生徒が一斉に発射したり、
メイドロボの股間に給油したりする。
やってることだけ見るとただの変態なのだが、それを確かな画力と意思が正当化している。
明らかに歪んだ世界の中でも、男とメイドの狭間で思い悩む成美の姿は感動的に映る。
「キミは心の中に大きなキンタマを持っている」
「君のちんちんは自由(フリーダム。勇気をもってちんちんに従って!」
「ちんちんを持つ者は、勝つことでしか物を得ることができない。金も女も名誉も、勝った者にしか与えられないわ」
どんな感動的なセリフも下ネタで台無しにしつつ、それでいて心を打つから恐ろしい。
読むだけで社会から後ろ指を刺されそうな気はするが、紛れもない名作だ。