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二次元桃源郷(アニメ、漫画、ゲームレビュー)

とにかく面白い作品の感想を書いています(ただし酷評)

デジモンアドベンチャー tri. 評価A かつて子供だった大人に捧げる冒険譚

カテゴリ:劇場アニメ

ジャンル:バトルアニメ

特徴:デジモンというより、子供達の成長の物語

 


 

※ネタバレ感想

 

無印デジモンのその後、高校生になった太一達の物語。

明らかに子供の頃に初代を見た大人をターゲットにしており、名前だけ借りたアプモンとは全く別次元の作品。

期待してなかったが、3章の時点でまさかここまで面白いとは思わなかった。

 

本作序盤はテレビシリーズほど戦闘の割合が大きくなく、どちらかと言えば高校生の日常がメインになる。

激しいデジモンバトルを期待して1章を見ると、失望するかもしれない。

しかし、日常から非日常へ移り変わる中で、それに苦悩する子供達の心理描写は非常に秀逸。

かつてのデジモンシリーズで、ここまで人間を魅力的に描いた作品は他にない。

 

本当の敵はリアルワールドに出現した騎士アルファモンではなく、猫にしか見えないメイクーモンの持つウィルス

敵だけでなく選ばれし子供達まで次々とウィルスに感染して自我を失い、仲間を手にかけていく悲劇。

いつ狂うともわからないまま日々を過ごすパタモンと、パートナーを守るためにそれを口にできないタケルの姿に感動した。

仲間に殺されるか、デジタルワールドごと皆でリブートされるしかない絶望の中で、懸命に足掻く少年たちが実に美しい。

 

かつてのデジモンはただ進化して相手を倒すだけだったが、トライはそんな幼稚なレベルではない。

デジモンが暴れれば町が壊れるし、周囲の人も傷付く。

やることはいくらでもあって、戦っていたら受験勉強もできない。

そんな中でひたすら葛藤する太一やミミは、本当に大人になったのだと思う。

 

「選ばれし子供は、なぜ選ばれたのか?」

 

「いつまで選ばれし子供でなければいけないのか?」

 

「パートナーとは、いったい何なのか?」

 

長いシリーズでも改めて考えるとわからないことだらけだが、劇場版でその答えが少しわかった気がする。

 

精神の成長こそが、進化の鍵。

幾多の絶望を乗り越えて少年達は成長し、デジモンはさらに進化する。

 

ヴァイクモン、

ロゼモン、

ヘラクレスカブテリモン、

ゲームでは存在しながらもテレビではたどり着けなかった究極体の勇姿を拝める日が来るとは、まさか思わなかった。

本当に長生きはするもんだな。