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二次元桃源郷(アニメ、漫画、ゲームレビュー)

とにかく面白い作品の感想を書いています(ただし酷評)

ヤンキークエスト 評価A- 本当の英雄とは何であるのか

著者:村上マコト

カテゴリ:一般漫画(ニチブンコミックス)

ジャンル:異世界ファンタジー(ただしヤンキー)

特徴:不良で魔王だけど立派な救世主

 


 

よくある異世界の危機に対して暴走族のヘッドが召喚され、冒険する漫画。

しかも勇者ではなく、大魔王サタンとして呼び出され、世界征服を企む悪の帝国と戦うことになる。

ヤンキーで魔王で救世主って、設定盛りすぎだろ。

 

これだけ聞くとただのネタ漫画だが、内容は少年漫画の正道そのもの。

素手でドラゴンと殴り合うサタン様の豪放磊落ぶりは見物だが、それ以上に人々が持つ平和への願いと救世主に対する期待が強く感じられる。

 

普通の異世界召喚ものであれば召喚主はどうでもいい王様であったり、何かの手違いで召喚されたようなものも珍しくない。

リゼロに至っては、誰が呼び出したのかすらわからない有様だ。

 

しかし、本作の登場人物は誰もが救済を切望しており、特に召喚者であるリグレット姫の英雄に対する思い入れは病的なほど強い。

敵はどいつもこいつも近年では珍しいほど徹底的な悪役であり、洗脳、惨殺、拷問、死体利用など、これでもかと酷い状況を作り出している。

この過酷な世界に住む人々の苦しみこそが、救世主の存在を最大限に肯定している。

ワンピースも真っ青なくらい直情的なキャラが多く、泣き叫びながら戦う姿に閉口することもあるが、英雄譚というのはこういうものなのかもしれない。

 

どんなに強い男でも、大義がなければ勇者にはなれない。

逆に暴走族や魔王や乱暴者であっても、必要としてくれる民さえいれば救世主たりうる。

そういう意味では、本当の主役はヤンキーではなく、英雄の登場を望んだ無力な人々なのかもしれない。