二次元桃源郷(アニメ、漫画、ゲーム感想)

作者に配慮した生温いレビューは要らん!駄作は駄作と言え!

BL(ボーイズラブ)はなぜ気持ち悪いのか?

男性同士の恋愛作品、いわゆるBLを好む腐女子は多いが、それを受け入れる男性は極めて少ない。

むしろ目に入るのも不快で、耐性がない男がほとんどだ。

あまりにも毛嫌いするので、腐女子からすれば、

「百合が良くてBLが悪い理由がわからない」

「自分は好き勝手言ってるくせに他人の趣味は許容できないのか」

と文句を言いたくなるのもわかる。

しかし、それは男の本質を理解していないからと言わざるを得ない。

 

そもそも男は「性的に男を受け入れない」ようになっているのだ。

オスに生まれた時点で先天的に、「絶対に男に手を出すな!」という強烈な制限がプログラムされている。

これは後天的なものでも個人の感性に因るものでもないので、趣味嗜好は関係ない。

どちらかというと神様の命令みたいなものだ。

 

例えば、学校に転校生が来たり、会社に新入社員が入る場合を考えてみるとわかりやすい。

「転校生が来るよ」と聞いた瞬間に、男は必ずこう考える。

「それは女か男か?」

この判断は順番的に最優先で行われる。

相手の成績とか人格とかスタイルとかは後回し。

まず性別を確認し、「生殖の可能性がある相手か」を判断しないと先に進めない。

女性なら年収や外見を優先するかもしれないが、男はそんな些末なことは気にかけない。

「女性であるだけ」で絶対的な価値を認め、愛してくれる生き物なのだ。

 

なぜ男がこうも性別に拘るかというと、恋愛・繁殖において能動的に動く役割を持っているからだ。

当然男女のペアでなければ子供は作れないので、男性から男性へのアプローチは生殖の観点では意味がない。

故にスタートを切る側には、相手を間違えないように細心の注意が求められる。

もしも男同士でくっついたら非生産的な上に身体的に弱い女性が保護されないことになり、人類は途中で絶滅していただろう。

種の存続のために同性愛を好む雄個体は淘汰され、間違って手を出そうとすれば本能から強烈な警告を受けることになった。

 

一方で、女性側は受け身であるためそこまで熱心に性別を選別する必要がない。

男が自分からアタックしてくれば、必然的に男女のカップルが成立するからだ。

また、女性は元々観察力が高いので、強く意識しなくても相手を判断できるのもあるだろう。

出産の際に助産婦に性器を触られる機会もあるので、同性との接触を避けるわけにもいかない。

男性同士の接触は自身の脅威ではないので、個人としてはどうでもいい。

こういった理由から、女性には同性愛に対する制限がかけられていないのだと推測される。

もちろんゼロではないのだろうが、男性が持つ禁則事項に比べればずっと弱い制約であると思われる。

 

では、同性愛的な要素は全て男性に受け入れられないのか?

実は違う。

各ジャンルの売り上げを見ればわかるが、男性客でもNF、フタナリ、ショタといった中性的なジャンルの作品はそこそこ需要がある。

男性器を持つことが必ずしもNGに繋がるわけではない。

 

男性の判断基準である「性別はどちらか」は最優先ではあるが、定義は意外と曖昧だ。

「DNA鑑定をしたらXY遺伝子だったから男だ」みたいな厳密な鑑定ではない。

というかそんな厳格な判定をしていたら、漫画や映像作品で興奮することなどあり得ない。

男はできるだけ多くの女性と関係を持って遺伝子を残すように指示されているので、対象範囲は可能な限り広げようとする。

身長2mの女性もいるかもしれないし、ムキムキマッチョな女性もいるかもしれない。

観察能力の低い男は、取りこぼしがないように少しずつ女性と見なせる範囲を広げて機会を確保しようとする傾向にある。

 

中性的なキャラは男女の境界に位置するため判断に困るが、それ故に女性の枠組みに入る可能性もある。

男性ホルモンに溢れた中年男性は流石に無理かもしれないが、小学生男子くらいの子供であれば女性として見ることも不可能ではないだろう。

要はその中に一点でも女神の要素を見つけられればいいのだ。

たまに男の子に手を出して捕まる犯罪者はゲイやホモではなく、少年の中のアニマに価値を見出しているのではないかと思う。

 

腐女子にはわかりにくい話かもしれないが、男はアプローチする側である以上「性別はどっち?」を最初に考えて反応せざるを得ない。

誤ってオスと接触すれば、罰として強烈なショックを受ける。

だからBLは嫌うしかないのだ。

男が「女性として認識する範囲」を広げていけばショタぐらいの趣味は持てるだろうが、それでも性別による判定が消えるわけではない。

一見BLを許容しているように見える人も、女性の定義を広げて警告を回避しているか、こっそり我慢しているだけではないだろうか?

 

このような男性の差別的とも言える偏執性は確実に女性を愛して子孫を残すためにあり、BLジャンルへの無理解で男女関係に亀裂を作るためのものではない。

むしろ女性を愛するためにあるのだから、女性のためにこそ必要なシステムと言える。

男の関心が全て同性に向いた社会は、女性にとってもデストピアではないか?

相手がメンヘラであろうが悪魔であろうがロボットであろうが、全ての女性は男性が崇拝する太陽である。

女子の方にはぜひ世の男性陣が「女性であること」に最大の価値を置き、それを尊重しようとしていることを伝えて頂きたい。