著者:熊之股鍵次
カテゴリ:少年漫画(サンデーコミックス)
ジャンル:萌えギャグ漫画
特徴:快眠を追求する姫様の執念が凄まじい
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魔王城に囚われた姫が勇者の救出を待つ・・・のではなく、ぐっすり眠るために周囲を巻き込んで突き進む漫画。
とにかく快眠・安眠・熟睡が目的の全てであり、そのためなら何を犠牲にしようと躊躇わない姫様が素敵。
凶悪なはずの魔物達は姫にとって格好の獲物であり、ありとあらゆる手段で利用される。
おばけふろしきは切り殺されてシーツになり、
氷巨人はクーラー代わりになり、
サンダードラゴンすら電気マッサージ器として扱われる。
屈強な冒険者ですら苦戦する凶悪な魔物を、ただの寝具に変えてしまう姫の戦闘力に脱帽。
魔王より姫様のほうが絶対強いよな・・・
毎日脱走を繰り返すトンデモ姫様とは対照的に、魔王軍は極めて善良。
しょっちゅう自爆する姫を治療したり、勇者が倒されないように有用なアイテムを配置する気遣いが素晴らしい。
もっとも、魔王が勇者のために用意した伝説の聖剣は、姫が照明具として横領してしまうのだが。
ドラクエのローラ姫のような立場でありながら延々と勇者の邪魔をする姫様こそ、真の敵じゃなかろうか?
睡眠欲のために周囲をひっかき回す傍若無人な姫だが、持ち前の愛らしい容姿とザオリクが普通に存在する緩い世界観のために全く不快感がない。
むしろ姫様のワガママをずっと見ていたいとすら思う。
可愛いってのは、何でも許される最強の免罪符なんだな。