ジャンル:超マニアックミリタリー変態RPG
特徴:色々な意味でとんでもないマニア作品
おそらく世界中探しても、これ以上ぶっとんだRPGは存在しないと思う。
絶対に市販できない作品であり、どこの国から訴えられても不思議ではないヤバい展開が満載だが、その作りこみは驚嘆の一言。
第一次世界大戦から戦後までの実在の戦車や航空機「200種類登場!」を収集しつつ、軍事博物館を経営するゲーム。
例えるなら、モンスターを兵器に置き換えたポケモンのようなもの。
戦車を育成して戦車と戦い、捕獲してまた育てる感じ。
こう書くと普通のゲームにも思えるが、やってみると印象が激変する。
ゲームとしての完成度が極めて高く、距離や高低差の概念を持つ戦闘システムが見事なのもあるが、それ以上に異様なまでのミリタリー知識と、各方面に喧嘩を売っている発現の数々に度肝を抜かれることだろう。
この作品の兵器は200種類以上登場するが、それぞれが史実に沿った能力をしており、
・火力
・貫通力
・速力
・対地装甲
・対空装甲
・年代
・活動力
といった非常に細かい能力が設定されている。
(実際にはもっと細かい)
全ての兵器に細かい解説分が存在し、かつ戦時の文献や各国の軍歌まで収録されている徹底ぶり。
クリアする頃には、貴方も立派なミリタリーマニアになっているだろう。
BGMで「君が代」や各国の軍歌が流れるのは、正直やりすぎな感がある。
設計だけでも超一流の作品だが、それ以上にヤバいのが、倫理を完全に無視した無茶苦茶な展開。
プレイ前に適性検査を受けて「作者を訴えないこと」を確約させられるのは、ただの冗談ではないと知れ。
以下に、ごく一部のネタを紹介。
・キャラ絵の大半は実写
・通行人は好きに砲撃して良い
・主人公が別れた奥さんを殺害
・天皇陛下やロンメル、ヒトラー、ブッシュ大統領が登場(しかも仲間になる)
・ビンラディンを仲間にして大統領を暗殺
・オウム真理教が皇居を占拠し、天皇を誘拐(どちらに味方しても良い)
・靖国神社は右翼と左翼の巣窟
・税金の無駄遣いと言って世界貿易センターを爆撃
・兎の目的はレーニン・マスクス共産主義の流布
・ニューヨークがバイオハザード
・サンタクロースが子供に爆弾を配る
上記だけでも十分カオスだが、こんなのはほんの一部。
本当におびただしいまでのブラックジョークが詰められている。
Elonaのように通行人を殺害できるゲームは結構あるが、現実の天皇や大統領を容赦なく撃ち殺せるゲームはこれくらいなものだろう。
アリスソフトのランスだって、パトルほど横暴でも自己中心でも無責任でもない。
かたや入念な研究による詳細な軍事兵器を再現しつつ、一方で人語を介する兎が火炎魔法をぶちかますメルヘンの共存。
まず間違いなく、世界一の怪作だろう。