偽・聖剣物語~幼なじみの聖女を売ったら道連れにされた~
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<あらすじ>
性格がねじ曲がった青年アリスターと幼馴染の少女マガリはヒモ生活を夢見ながら、寒村で足を引っ張り合いながら過ごしていた。
突然の王都から騎士が訪れてマガリが聖女に選ばれ、性根がバレて処刑されることを恐れた彼女は道連れにアリスターを同行させる。
さらにアリスターはその邪悪な精神にも関わらず聖剣の主に選ばれ、聖剣を魔剣へと変貌させてしまう。
二人はその腐った本性を隠して勇者・聖女という大役を全うできるのか?
クズ男を主役にした作品は数多くあるが、主人公とヒロインの両方がクズという作品は初めて見た。
しかも表目上は人格者として振る舞う腹黒で、その二面性をこれでもかと見せつけてくれる。
アリスター:金持ちのヒモになって養ってもらいたいクズ勇者
マガリ:玉の輿で楽に暮らしたいクズ聖女
まるで合せ鏡のようにピッタリなダブルクズだが、二人の自己中ボケに聖剣が突っ込むことで完璧な漫才が成立している。
互いに恋愛感情はない二人だが、その腐れ縁は倦怠期を超えた夫婦以上の良いコンビになっている。
全裸で水浴びをしていても微塵も羞恥心が生じないぐらい互いを知り尽くしている関係が、たまらなく良い。
本作の最大の魅力は、キャラの二面性。
基本的に漫画のキャラは善人にせよ悪人にせよ記号的でわかりやすい人格になってしまうが、本作の二人は常に表と裏の顔を見せてくれる。
ある時は聖人のような慈愛を見せ、その裏では自分以外を切り捨てるゲス顔で魅せる、そのギャップが読者を虜にする。
作画担当は成人向け漫画の出身らしく、その画力はなろう漫画の中でもトップクラスに高い。
特に躍動する飽満な女体と豊かな表情は、見惚れてしまうほどに美しい。
裏表のあるキャラを見事に描き分け、立体的に描く作画はマジで神だと思う。
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