ハード:SFC
ジャンル:歩くだけで死んでいくRPG
メーカー:エニックス
備考:ある意味SFC最高の作品
勇者と魔法を交互に操作していく独特なRPG。
同じエニックス作品ではあるが、ドラクエとは似ても似つかない。
勇者が魔王を倒す作品は山ほどあるが、魔王側をここまで魅力的に描いた作品は他にない。
MPに相当するソウルパワーというシステムが独特で、魔法を使うのに消費するほか、歩いているだけでもどんどん減っていき、ゼロになると死ぬ。
補充する方法は「命を奪う」こと。
適当な魔物を倒してもいいし、善良な市民を皆殺しにしてもいい。
仲間が死んでもソウルパワーが増えるのだから、どれだけ残酷なシステムかは想像に難くないだろう。
魔王ルキュ編では、
話しかけるだけで村人が即死する。
男でも女でも、子供でも悪人でも、話しかけるだけで悲鳴をあげ、無残な屍へと変貌する。
勇者ファルコ編では自らが築き上げた屍の山を見て複雑な気分に陥ることになるが、そうして死体漁りをしないとベストエンディングには行けない。
ソウルパワー以外のシステムも独創的で、謎解きやパズルの要素もあり、非常に難易度が高い。
特にセーブポイントが限られている上に一回ずつしか使えないため、SFCのRPGでは別格の難しさを誇る。
そんなわけで途中で投げ出すプレイヤーが続出したわけだが、そのシナリオは20年近く経った今でも色褪せないほどに素晴らしいものであった。
魔王とは何か?
なぜ次々と人々を殺し、世界を無に還そうとしているのか?
かつて世界を救ったはずの聖騎士達が、醜い化物へ成り下がっているのはなぜか?
全ての聖騎士を滅ぼし、無数の屍を積み上げた先に、勇者と魔王は決着を付けることになる。
当然魔王が勝てば人類は滅び、勇者が勝てば救われるわけだが、そこに込められた想いはそんなに単純なものじゃない。
魔王が勝って人類が滅び、新たな生命が息づく地球でこそ、彼がどれだけ人類を愛していたのか知ることができるだろう。
「SFCで一番の名作」といえば、私は間違いなくこれを挙げる。