ジャンル:竜育成RPG
SFC黎明期における奇作の一つ。
根底にあるのは仏教における末世感と輪廻の概念。
可愛い系の絵柄に反し、圧倒的なまでの不条理と毒素が詰まっている。
生まれた子竜を届け出るために役所をたらいまわしにされ、(まさにお役所仕事)
産後の母竜と子竜を食べさせるために単身でモンスターを刈り、
気の遠くなるほど高いエンカウントと戦う主人公の姿は、まさに父親。
パーティでは主人公が一番弱く、一切成長しないのだが。
シナリオは意外にもシリアスで、特に追い求めた姉貴分の最後は本当に涙した。
階層を進む度に世界は崩れ、帰る道はなくなっていく。
そんな中でも通常通り営業を続ける飲食店員は、一体何を思うのか。
元凶たる黒竜を倒しても崩壊は止まらず、全ては消えてまた生まれる。
ついでにセーブデータも勝手に消える。(バグではなく仕様)
正直、小学生に理解できるような作品ではなく、SFCで出すようなものでもない。
大人になってプレイすれば、また違う感想が出るのかもしれない。
とてもじゃないが言葉には尽くせない味のあるゲームなので、知りたければプレイしてみるしかないだろう。