二次元桃源郷(アニメ、漫画、ゲーム感想)

作者に配慮した生温いレビューは要らん!駄作は駄作と言え!

真マジンガーZERO 評価A 地球を焼き尽くす程に熱いロボット漫画

カテゴリ:少年漫画

ジャンル:ロボットバトル

特徴:原作とは比べ物にならないほど壮大なバトル

 


 

日本人なら知らぬ者はいない有名なマジンガーZを原作とし、とんでもないレベルでリメイクした漫画。

展開はとにかくハードで、シナリオも設定も熱血も、原作とはまるで次元が違う。

(科学的な意味でも次元が違うので注意)

ぶっちゃけ、これ以上熱いロボット漫画は存在しない

 

実はリゼロやまどかマギカと同じループ作品であり、Dr.ヘルの世界征服を阻止するのと同時に、マジンガーZが世界を滅ぼすのを止めるまで、延々と世界を繰り返す物語だったりする。

本作のマジンガーZは魔神パワーという惑星を焼き尽くすほどの強大な持っており、目覚めれば機械獣は倒せても、世界が滅亡してしまう。

勝っても負けても地獄な絶望的な状況の中で、兜甲児とミネルバXは出口を求めて文字通り命を投げ打って戦い続ける。

 

本作の甲児の熱血と死にっぷりは、リゼロのナツキ・スバルを遥かに上回っている。

というか、比べるのが失礼なレベル。

ヘルに串刺しにされても、ブレストファイヤーで黒焦げになっても、ルストハリケーンでその身を粉々にされても蘇って戦う闘士に、一体誰が勝てるだろうか?

完全に死亡してもなお、キューティーハニーの空中元素固定装置まで使って復活する根性に脱帽した。

 

永井豪より遥かに美麗な余湖裕輝の作画もさることながら、ありとあらゆる永井作品を集めつつ、多次元世界をまとめあげた脚本が凄まじい。

アフロダイやボスボロット、グレートマジンガーやグレンダイザー、マジンガー軍団のメンバー、エネルガーZやアイアンZといったマイナーなロボットまで、ありとあらゆるネタを集めた総力戦が展開される。

ロボットだけでなく、『キューティーハニー』『あばしり一家』や『へんちんポコイダー』といった非常に古い作品のキャラも多数登場するので、ファンには嬉しいところだろう。

(そんな作品知っている奴のほうが珍しいと思うが)

 

この漫画を読むまで気付かなかったが、よくよく考えてみると、原作で兜博士がマジンガーというスーパーロボットを作り出せたこと自体がおかしい。

いくら天才の博士とはいえ、現代技術を何世代も上回る技術をどうやって実現したのだろうか?

そんな素朴な疑問すら本作はきちんと考察し、多次元と時間の輪廻を利用したシステムにより謎を解き明かしている。

兜博士だけでなく、古代ミケーネ人と地獄大元帥の正体まで回答を用意しているのは、流石と言う他ない。

 

かつてテレビでマジンガーZの戦いを楽しみ、グレートとの入れ替わりで落胆した方は、ぜひこの本を手に取って欲しい。

この真マジンガーZeroこそが、我々が見たかった本当のマジンガーだ。

 

ダンテ神曲(永井豪) 評価B- 地獄の苦しみを徹底的に描いた漫画

カテゴリ:一般漫画(講談社漫画文庫) 

ジャンル:劇画

特徴:地獄の拷問があまりにも残酷

 

 

悪魔の描写に定評のある永井豪が、ダンテの神曲を漫画化した作品。

氏の作品(デビルマンレディーなど)では度々地獄や化物が描かれるが、その中でも最もハードで目を背けたくなる内容。

 

生前罪を犯した人間は地獄に落ち、何百年もの間拷問を受け続ける。

・熱湯で焼かれ続ける者

・鬼に嬲られ続ける者

・互いに殺し合い続ける者

・極寒で凍え続ける者

など様々な形が存在するが、いずれも容赦ない残酷さで、全ての地獄が克明に描かれている。

 

登場人物は必ずしも悪人というわけではなく、トロイの木馬の英雄など人類史に大きな貢献をした傑物も多い。

それでも生前に僅かな悪事を犯した者はこれでもかと強烈な罰を受けるため、この世界の成り立ちに強い不条理を感じる。

地獄を作った神とやらは、何の権限があってこのような非道を働くのか?

 

地獄編の後は自分に罰を与える修行者、その後は天国の世界が描かれる。

しかし、天国の話は地獄に比べると遥かに短く、描写も充実しているとは言えない。

そもそもあれだけの絶望を延々と見せられた後に「善人だけの幸せな世界」を見ると、かえって欺瞞と不平等を感じざるを得ない。

 

幾多の地獄を超えて天国に辿り着き、神の愛に触れたダンテ・アリギエーリは、カルマの大小で死後の扱いが決まるこの世界の仕組みに納得したのだろうか?

聖人君子には程遠い私には、とてもそうは思えないのだが。

 

ポケットモンスターベガ 評価B ラピスラジムがキチガイ

カテゴリ:改造ゲーム(ゲームボーイアドバンス)

ジャンル:ポケモンRPG

特徴:原作で不遇なポケモンが凄い進化しとる

 

ポケモンシリウス・アルタイルの続編。

ファイアレッドを元に改造されているものの、極めてオリジナリティと完成度が高い。

おそらく国内の同人作品では最高の出来。

 

<特徴>

・舞台はトーホク

ポケモンは386種類

・アルタイルのポケモンはほぼ全て出る

・原作の弱ポケモンも、進化で異様に強くなる

・強力なオリジナル技が多い

・物理技と特殊技がある

・技マシンが原作と違う

・バトル施設あり(ミラージュバトル)

・自転車の代わりにボード(前作はスクーター)

・シンクロや変わらずの石の性格補正は無効

・一部のジムの仕掛けがやたら難しい

 

原作ポケモンがさらに進化することが多く、進化後のポケモンはどれも強い。

あまりにも出来が良いので、原作に逆輸入してほしくなる。

 

レディアンレディバ

・ルナトーン、ソルロック→プラネム

クチート→クチールス

カイロス→ガッツロス

アーボック→アーボスク

マタドガス→モアドガス

ジーランスダンカンス

ジュペッタ→オンネット

ノコッチ→ノコウテイ

デリバード→プレゼンタ(ちからもち)

カモネギ→カモナイト(ヨガパワー)

 

特にプレゼンタとカモナイトはすさまじく、攻撃力2倍の特性により進化前とは比べ物にならないパワーを発揮する。

カモネギデリバードが厨ポケになる未来なんて、誰が予想しただろうか?

 

あと、ヌケニンと同じ特性(ふしぎなまもり)を持つジバクンが壊れすぎている。

タイプがノーマル・ゴーストなので、悪タイプ以外の攻撃が全て無効。

それでいてヌケニンのようなハンデがないため、悪以外の全てに完勝できる。

 

シリウスは第三世代仕様でタイプ毎に物理・特殊が決まっていたが、本作は技毎になっているため、タイプの不遇を受けるポケモンはまずいない。

技マシンや教え技も充実しているため、技に困ることは殆どないだろう。

(10万ボルトや地震のように技マシンがなくなっている物もある)

教え技のせいで水タイプ以外のポケモンサーナイトとかドルマインとか)がハイドロポンプを撃てるのは、どうも違和感があるが。

 

技は豊富だが、育成環境はお世辞にも良いとは言えない。

特にあるたいる(エメラルド改造)で可能だった性格厳選が不可能なのが痛い。

強いポケモンが欲しければ、交換で手に入る個体値6Vのメタモンで粘るしかないだろう。

パワーアンクレット等の努力値補正もないので、薬と強制ギプスで頑張るしかない。

努力値を下げる木の実は、ミラージュシステムまで行けば手に入る。

 

難易度は全体的に高く、敵が強いのもあるが、それ以上にジムやダンジョンの仕掛けが厄介。

ミュウツーがジムリーダーを務めるジムは矢印床タイプで、一見正しい床を選べば先に進めそうに見える。

しかし、実際はどれを選んでも不正解であり、ダウジングマシンを使って隠れたアイテムを探し当て、壁を破壊する」のが正解。

不条理な仕掛けを解いてようやくミュウツーの所にたどり着くと、神速を使うインチキピカチュウに瞬殺されるので、プレイヤーに怒りは頂点に達するだろう。

 

ラピスラジムはさらに難易度が高く、まるでアクションゲームのような操作を要求される。

「氷の床」と「怪力で動かせる岩」は従来のポケモンでもある仕掛けだが、滑りつつ岩が動き回るのだから厄介極まりない。

氷の床を滑りながら視界外を往復する岩にタイミングを合わせてぶつかり、方向を変えて滑り続けるのは、下手なアクションゲームより遥かに難しい。

幸いどこでもレポートが書けるため何時間かかけてクリアしたが、マジで詰んだかと思った。

 

クリア後ダンジョンであるスフィア遺跡も、全作よりさらに難しくなっている。

点字で書かれた石板を解読しながらレベル100近い野生ポケモンをなぎ倒し、一歩ミスればスタートに戻される鬼畜仕様。

Wiki見ないでクリアできたら、天才じゃなかろうか。

 

ポケモンアルタイル・ベガ攻略wiki

https://www9.atwiki.jp/altair1/

リングドリーム 評価B- 美少女だらけのプロレスソーシャルゲーム

カテゴリ:ソーシャルゲーム

ジャンル:美少女カードゲーム

特徴:プロレスなのに美少女ばっかり

 

女子プロレスを題材にしたソーシャルカードゲーム。

ヤフーやニコニコのプラットフォームでもプレイできるが、桃乃瀬ゆかり氏の勧めでミクシィにてプレイした。

有料ガチャと無料ガチャがあるが、無課金でもそこそこプレイ可能。

 

市販のTCGに比べるとイラストレーターが豪華で、とにかくレスラーが可愛い。

どっちかというとプロレスというより、リセや美少女カードゲームに近い。

一部ムキムキないかつい女性もいるが、アイドルみたいな少女が大半。

あんな華奢な体でどうやって戦っているのか気になるぐらい、可愛い娘が多い。

 

戸籍ない少女とか、レンコンのコスプレとか、実は男の娘とか、個性という言葉で片づけて良いのかわからないが、登場レスラーは極めて個性的。

(女子プロレスに男が参加していいのかははなはだ疑問)

とにかく気に入ったレスラーを鍛えて仲良くなればいい。

全キャラに台詞があり、高ランクカードは好感度を上げて恋愛や尊敬に至ることもある。

 

本作の成長システムは完全に生贄であり、他のレスラーを餌にする以外の育成方法は殆どない。

レベル上限の高い(レアリティが高い)カードに、他の弱いカードを投入にして、ひたすら強化するのみ。

ガチャったカード無駄にならないのは良いのだが、現実の厳しさをひしひしと感じる。

 

・町でスカウトしても、ろくなレスラーは見つからない

・お金をかけず友情で集めたレスラー(無料ガチャ)は弱い

・お金をかけてスカウトしたレスラー(有料ガチャ)は強い

・良い選手を見つけるには、遠くに遠征して契約しないといけない

・才能のない選手は、才能のある選手の練習相手となって消えるのみ

 

弱者は食われ、一握りの天才だけが残る。

なんてリアルな設定だ!

 

このように設定は現実的だが、プロレスゲームとして見るとかなり稚拙と言わざるを得ない。

というか、バトル部分があまりにも適当すぎる。

 格闘技の熱い試合を期待すると、確実に肩透かしを食らうだろう。

 

・イベントは試合の前後だけが描かれ、肝心の試合描写がない。

・プレイヤーは勝手に雑魚を狩るだけで、ストーリーには関われない。

・強豪はただのサンドバッグで、反撃すらしてこない。

・ボスは反撃するが、弱すぎてワンパンで沈む。

・対人戦は消費ptが高いわりにメリットが少ない

 

バトルとしては全くダメだが、可愛い女の子を集めるゲームとしては悪くない。

この業界でもかなり息の長い作品であり、今でも定期的に新しいイベントをやっているので、暇な人はプレイしてみてもいいだろう。

ちなみに私はmixiプラットフォームの「魔女教団」という団体に所属中。

 

リングドリーム総合サイト

http://swninfo.success-corp.co.jp/general/ringdream/

ソマリと森の神様 評価A 悲しく優しい幻想世界譚 

カテゴリ:WEB漫画

ジャンル:異世界ファンタジー

著者:暮石ヤコ

特徴:世界観があまりにも美しすぎる

 


 

近年稀に見るほど丁寧に作られた漫画。

一つ一つのコマがイラストのごとく緻密に描かれており、登場人物の表情はもちろん、ティーカップ一つ一つでさえ心を込めて描かれているのがわかる。

キャラの大半は亜人種族であるが、多種多様な種族を書き分けつつ魅了する画力には、驚嘆せざるを得ない。

 

この世界では人間と亜人が過去に対立しており、戦争によって人間は絶滅の危機に瀕している。

既に愛玩動物や食料としか見なされない人間の少女を、親のように守り続けるゴーレムが本当に美しい。

ゴーレムは所詮ロボットでしかなく、表情どころか目も鼻も普段見えない。

それなのに子供を優しく見守り、そっと手を引く姿は、まさに理想の父親そのもの。

血縁の有無どころか同じ生物ですらないのに、なぜこんなに見事な親子関係が成立するのか? 

 

物語開始時点でゴーレムの残りの寿命は2年足らずであり、このままの関係が永遠に続くことはない。

人間も残り少なく、再興も他種族との和解も難しいだろう。

それでも、決して悪い方向には進まない気がするのが実に不思議だ。

 

自分を受け入れない残酷な世界でも笑顔を絶やさない少女と、最後まで娘に付き添おうとするゴーレム。

滅びゆく人間種族と、人間を迫害しつつも時に歩み寄ろうとする亜人種族。

二つの相容れない存在の行き着く先が、本当に気になってしょうがない。

 

セクシャル・ハンター・ライオット 評価B クソ真面目なセクハラ漫画

カテゴリ:ライトノベル⇒漫画

ジャンル:エロ漫画に見せかけたシュールギャグ

特徴:セクハラが真面目すぎて笑ってしまう

 


 

虚夢(キリオーニラ)という化け物から人類を救うために戦うヒーローの物語。

ただし、戦うためのエネルギーは性欲

過去の激戦で力(性欲)を使い果たした少年は、友人の少女達にひたすらいかがわしい行為を繰り返し、怪人と戦うための力を蓄える。

どこかのエロゲーで見たような設定だが、とりあえずエスカレイヤーとハルカに謝れ。

 

一般漫画にしては相当過激な描写も多く、ジャンプのToloveるよりあからさまな性的描写もある。

幼馴染の少女にパンツを見せてもらったり、チョコバナナをしゃぶらせたり、可愛らしい絵柄でなかなかに強烈なプレイが多い。

小学生女子のスクール水着を男が着たり、パンツを聖剣(エクスカリバー)に変えたり、どんどんエスカレートしていく展開に脱帽。

 

絵柄だけ見るとエロ重視に思えるが、これをギャグ漫画たらしめているのは主人公が常に真顔であること。

ヒロインの胸を揉む時も、スカートをめくる時も、パンツを脱がせるときも、この主人公には性欲がないため常に表情が変わらない。

リトのよう赤面することも、悪びれることもなく、正義のために堂々と要求する姿がカッコいい。

命の危険が迫る大ピンチの中、シリアスな顔でパンツ食ってパワーアップするとか、あんたマジ漢だよ。

 

ダンジョン飯 評価B+ 読むだけで腹が減る冒険譚

カテゴリ:一般漫画(ビームコミックス)

ジャンル:クッキングファンタジー

特徴:魔物料理がめっちゃ美味そう

 


 

食費に困った冒険者が魔物を食材にして料理する漫画。

基本はウィザードリィのような迷宮でモンスターと戦う世界観だが、それぞれの怪物が生物として緻密に描写され、調理されていく過程が非常に面白い。

 

マタンゴバジリスクなどいかにも植物・動物っぽい魔物を食べようとするのはわかる。

しかし、この漫画は水の精霊であるウンディーネや、一見鉄の塊でしかないリビングアーマーすら平気で料理に組み込む。

しかもダンジョンのトラップを利用して食材を切断したり、油で揚げたりする。

何でも料理に利用とする発想の柔軟さは、特筆すべきものがある。

 

化け物を食う漫画といえばジャンプの『トリコ』が有名であり、やはり「食べるために戦う」というのは人間の本能を揺さぶる行為であり、圧倒的な説得力がある。

本作のバトルはトリコほど派手ではないが、その代わりに食材の調理に力を入れている。

殆ど生で敵を食っているトリコと違い、複数の食材を組み合わせて栄養のバランスを取りつつ、食中毒や寄生虫にまで配慮する気遣いが素晴らしい。

あと、ゲテモノ料理にドン引きするエルフ少女(マルシル)がとっても可愛い。

 

クラーケンやマンドラゴラなど普段敵としか扱われない魔物達が、料理になるとこうも美味しそうに見えるのはなぜだろう?

本当に、これを読むと腹が減ってしょうがない。

 

デストロイアンドレボリューション 評価B 超能力テロ漫画

カテゴリ:一般漫画(ヤングジャンプコミックス)

ジャンル:テロリスト

特徴:超能力による社会変革

 


 

テレビを見て、

「超能力が使えたらこの政治家を殺してやるのに」

と思ったことは誰でも一回ぐらいあるだろうが、実際にそれをやっている漫画。

作者は自殺島ホーリーランドで有名な森恒二氏。

 

主人公達はワンネスという超能力を持ち、その力によって各国の政府を脅し、理想の社会を作ろうとする。

デスノートのキラのような単純なコンセプトではあるが、その描写が丁寧で面白い。

 

アメリカ合衆国の基地を襲撃したり、戦艦を沈めたり、宇宙ステーションを乗っ取ったり、その活動は日本の漫画とは思えないほど過激。

最後には米国が日本に核爆弾を投下するのだが、よくこの内容が通ったものだと思う。

 

衝撃的な展開とワンネスの設定は素晴らしいものがあるが、難点は結末がかなり酷いこと。

ぶっちゃけ打ち切りなんじゃないかというぐらい、最終回のオチが唐突。

米国との戦争も人間関係も全て吹っ飛ばして、宇宙に逃げる結論には失望した。

リライトも最後は同じことを言っていたから、考え自体は間違っていないと思うのだが、無責任にもほどがある。

内容がヤバすぎて、どこかの機関から圧力でもかかったのだろうか?

 

戦争派(ユウキ)より穏健派(マコト)を強く設定しすぎて、バトルがつまらなくなったのも気になる。

ワンネス(世界と調和する力)とテロリスト(秩序を乱す者)が、上手くかみ合わなかったのかもしれない。

結局のところ理想を知らずに社会だけを批判することに無理があったのだろう。

 

ただ気に入らない連中を殺しても、完璧な世界は作れない。

若者が夢を叶えるためには、自分の力で新天地を切り開くしかない。

そういうことかねぇ。

 

ポケットモンスター アルタイル・シリウス 評価C+ エメラルドの同人続編

カテゴリ:同人ゲーム(ゲームボーイアドバンス)

ジャンル:ポケモンRPG

特徴:オリジナルポケモンがいっぱい

 

ポケモンエメラルドの3年後の世界を描いた改造ゲーム。

マップは原作そのままだが、ポケモンの約半数がオリジナルになっているため、新鮮な気持ちでプレイできる。

 

<エメラルドからの変更点>

・原作ポケモンの半分が消え、オリジナルポケモンに入れ替わっている

(もちろん御三家も新規)

・レジ系はいないが、代わりに別の伝説がいる

・原作と違った進化をするポケモンがいる

・ジムリーダーや四天王がかなり入れ替わっている

(タケシがいたり、センリが四天王になっていたり)

・コンテストはない

・バトルタワーもない

・最後の町アルトマーレとラストダンジョンが追加

 

個人的に嬉しかったのは、原作以上に進化するポケモンが多かったこと。

元々あまり使えなかったポケモンがやたら強くなっているので、非常に良い選択だったと思う。

 

・アブソル⇒ディザソル

ドククラゲ⇒ヤミクラゲ

マルマインドルマイン

キリンリキ⇒フォリキー

ピカチュウ⇒ゴリチュウ(格闘)

 

ピカチュウの可愛さと、ゴーリキーの肉体美!

これぞ究極の進化なり!

 

ゴリチュウめっちゃつええ。

特攻がないから10万ボルトや雷パンチが無意味だけど、腕力ありすぎ。

波動弾ぶっぱなすだけで敵が消し飛んでいくマッチョ鼠が恐ろしすぎる。

 

原作進化組はどれも攻略に役立つのでオススメ。

特にヤミクラゲのフルアタ構成(波乗り、ぶち壊す、ギガドレイン、吹雪)は原作のスターミーっぽくて使いやすい。

あと化石ポケモン(特にプレリクス)が全体的に強い。

メタグロスラティオスカイオーガグラードンは相変わらず化け物。

秘伝要員はタダヌキかニョロゾ

通信進化はレベル進化などに置き換わっているため、通信しなくてもフーディンゴローニャを作れる。

 

難点はストーリーがクソつまらないこと。

ミクリやダイゴが悪の組織の首領になって伝説ポケモンを復活させようとしているが、ワンパターンすぎて面白みが全くない。

 

あと、システムが第三世代仕様のため、不便に感じる所も多い。

シンクロの野生ポケモン性格厳選は使えるが、固定ポケモンには無効。

技マシンは使い捨て。(アルトマーレでかなり買えるが)

何より物理・特殊がタイプ固定なため、種族値とタイプがかみ合わないポケモンはとことん使えない。

 

原作からしてそうだが、

・悪、竜⇒特殊

・霊、毒⇒物理

っておかしくね?

ゴースト技が物理なせいでゲンガーとか凄い涙目なんだが。

伝説ポケモンにも特殊が高いのに飛行や地面のポケモンがいるため、育成に非常に悩む。

全体的に技に恵まれないポケモンが多いので、下手にこだわるより両刀タイプで適当に育てたほうがいいかもしれない。

 

アルタイル攻略WIKI

https://www9.atwiki.jp/altair1/

Pokemon Reborn 評価C+ 世界一難しいポケモンゲーム

カテゴリ:PCフリーゲーム

ジャンル:ポケモンRPG

特徴:何から何まで難しすぎる

 

外国人が作った同人ポケモンゲームの一つ。

システムや世界観がPokemon Rejuvenationに酷似しているため、同じ人物が作成していると思われる。

現在はEP15までリリースされており、おそらく全体の7割程度がプレイできる。

 

Rejuvenation同様ニューヨークのスラム街みたいな町から出発し、街中を歩いていても次々とポケモンバトルを挑まれる無法っぷり。

列車はテロで爆破されるし、海はヘドロでベトベターしか釣れないし、道路は度重なる地震で地割れだらけになっている。

どこの世紀末かって話だ。

こんな狂った世界を浄化して作り直すために戦う悪の組織の教信者どもは、ロケット団など比べ物にならないくらい切実かつ残酷な戦いを繰り広げている。

 

シナリオの陰鬱さは完全にRejuvenationと同等。

要するに、救いようがない。

 

ジムリーダーを倒してジムバッジをゲット

⇒敗れたジムリーダーは投身自殺

⇒橋の下が血しぶきで染まる

⇒ジムリーダーの娘が家出

⇒孤児院に無理矢理引き取られる

⇒孤児院で虐待され、電気拷問を受ける

⇒孤児院を襲撃して救出

⇒互いに殺し合う

 

原作でもワタルのカイリューが人間相手に破壊光線を撃っていたが、本作はカイリューが何人も湖に沈めたり、シャンデラが人の魂を焼き尽くしたり、ギルガルドを握って敵を斬殺したりする。

ポケモンバトルどころか、完全な殺し合いと化している。

流石銃の国アメリカは、日本とはレベルが違う。

 

ゲームとしての難易度は極めて高く、正直これより難しいポケモン作品を私は知らない。

特に、

地形効果による有利不利

・5刻みでかかるレベルキャップ

・異様なほど難しいパズル

のせいで、子供では絶対にクリアできない難易度になっている。

 

地形効果は草原、炎、水中、暗闇、毒沼、霧、虹色など10以上存在し、特定の技が強化されたり、クリティカルになったり、属性が変化したり、多種多様な効果がある。

ジムリーダーは常に自分に有利なフィールドで戦うため、「炎技で草原を燃やす」などの方法で地形を変えないと、有利属性でも一方的に負けることが少なくない。

 

原作でも他人のポケモンはバッジレベルを超えると言うことを聞かなくなったが、本作とリジュは自分のポケモンでも命令を無視する。

しかもバッジ一枚につき上限が5ずつしか上がらないため、常に適正レベルでの戦いを強いられる。

「レベルを上げて殴ればいい」というRPGの基本が完全否定されている。

なお、レベルを下げる不思議な飴が販売されているため、調整はたやすい。

 

メガシンカは存在するが、現行Verでは使用できない。

しかし、敵は使ってくる。

ジムリーダーは常に6体常備しており、リジュと違って難易度選択がないため、必ず6体撃破する必要がある。

 

よって、ジムリーダー戦は、

・相手に有利なフィールド

・レベルは適正以下。ただし、相手はそれ以上でも問題ない

メガシンカはなし。ただし、相手は使っても問題ない

という徹底的に不利な条件のバトルとなる。

市販のポケモンでは絶対に味わえない歯ごたえのあるバトルが楽しめるだろう。

 

正直ゲームは難しいほど楽しいので、この仕様に文句を言うつもりは毛頭ない。

問題は、ポケモンバトルよりもパズルのほうが遥かに難しいことだ。

本作は全てのジムにこれでもかと仕掛けが設置されており、いずれも原作よりずっと難易度が高い。

スライドパズル一つとっても回転させて方向を決めなければいけないため、相当な知性が要求される。

下手すると、育成より謎解きのほうが時間がかかるかもしれない。

 

特に難しかったのは、脱獄チェス

ケーシィでポケモンをテレポートさせ、プリンで看守を眠らせ、冷凍ビームと火炎放射で鉄格子を熱疲労させ、ロックブラストで監獄破り。

いったいどんな思考をしていたら、こんなおかしなゲームを思いつくのか。

そもそも何の罪があって、主人公は毎回牢屋に収監されているのか。

いや、ギャングに入って民家に押し入り、老婆からポケモンを強奪とかしたけれど。

 

チェスは駒を動かしてチェックメイトの形を作ればクリアとなるが、「ポーンを前進させてクィーンにチェンジ」といったアクションが必要になるため、チェスのルールを知らない人には攻略不能。

ポケモンをプレイしていたはずなのに、いつの間にか真剣にチェスに取り組む羽目になってる不思議。

 

死人が沢山出るハードボイルドなストーリーと不条理なまでに強いボス戦は個人的に歓迎したいところだが、流石にポケモンと全く関係のないミニゲームの連打はきつかった。

ポケモンバトルの経験はもちろん、英語の読解能力とパズルのセンスを備えた本当の上級者だけにお勧めする。