カテゴリ:トレーディングカードゲーム
特徴:ゲーム自体は面白いが、運営が酷すぎて潰れた
いくつものカードゲームをプレイしてきた私だが、一番ゲームシステムが優れていたのは、間違いなくLycee(リセ)だ。
リセはリーフファイトやヴァイスシュバルツと同様に、エロゲやギャルゲのイラストを用いた対戦型カードゲームだが、フィールドやアドバンテージの概念が優れており、プレイヤースキルが試される良いゲームだった。
具体的にはフィールドが攻撃・防御の3マスずつに分かれた遊戯王のような感じで、召喚したキャラを上手く移動させながら、ダイレクトアタックでライフ=山札を削っていく。
遊戯王との違いは、
・同一キャラを攻撃と防御の両方に回すことはできない
・防御するかダイレクトアタックになるかは、防御側が選ぶ
・サポートシステムにより、仲間を強化できる
・召喚コストは、別のカードを破棄することによって発生する
・ドローするほどライフが減り、攻撃がなくてもいつか死ぬ
といったところか。
非常に取捨選択の要素が強く、絶対的な正解がない。
プレイヤーの腕次第で、いかようにも戦局が変わることになる。
・コストにしたカードは場に出せないので、どのキャラを出すか悩む
・召喚場所が6マスあるので、出す場所に悩む
・手札を増やせば選択肢が増えるが、その分ライフが減る
・攻撃を防御すればライフは残るが、キャラは減る
リセの本質は、ハンドアドバンテージ(手札の多さ)とライフアドバンテージ(ライフの多さ)の奪い合いであり、正確な計算をしたほうが最終的に勝つことになる。
まさに美少女ゲームの殻を被った知能戦と言うべきだろう。
このようにシステム面においてはTCG最高と言っても過言ではなかったリセだが、あまりにも酷い運営によって、多くのプレイヤーが去り、2014年にサポート打ち切りになった。
・カードパワーのインフレ
・壊れカードの乱発
・エラッタ(修正)によるレアカードのゴミ化
・コモンカードのゴミ量産
・新弾販売間隔が短すぎる
・作品限定カードのオーバースペック
特に、
・シャイニングトラペゾヘドロン(コストなしでデッキからキャラを出せるカード)
・バランス(最小限のキャラを残して、手札と場を破壊するカード)
・ワンキル各種
の放置が酷かった。
一枚で場を一変させるパワーカードで大会が荒らされた後、そのカードをエラッタで紙屑に変える。
この連続で、普通のプレイヤーもパワーカードを使っていたプレイヤーも離脱。
挙句の果てにハンドアドバンテージを無視したオーバースペックカードが乱発され、皆に見放される結果となった。
あまりにも販売頻度が高く、カード種類が多くなりすぎたのも破綻の原因か。
後半は誰もがワンキル(手札をぐるぐる回して1ターンで勝つ)を探し、フェスタを制するようになってしまった。
これでは続けようと考えるほうが難しい。
ゲームシステムとしては、間違いなく面白い。
正直今でも再びプレイしたいと思っている。
だが、金儲けしか考えないシルバーブリッツの顧客対応が、あまりにも酷すぎた。
TCGの成否を決めるのはシステムの優劣ではなく、プレイヤーの愛であることを忘れてはならない。