カテゴリ:アニメ
ジャンル:冒険ファンタジー
特徴:モンスターがよく死ぬ(ロストする)
20世紀を代表する冒険アニメは何か?
と聞かれたら「デジモンアドベンチャー」と「モンスターファーム」と答える。
原作はCDからモンスターを再生して大会のために育てる育成ゲーム。
しかし、アニメ版は世界を救う冒険譚になっている。
原作無視と批判されることもあるが、ストーリーはポケモンやデジモンを凌ぐ名作。
本作が他のモンスターバトル作品と異なるのは2点。
・人間と怪物が命を賭けて戦うこと
・人間のエゴが根底にあること
本作主人公のゲンキは人間離れした身体能力を持っており、その戦闘力はモッチーとほぼ同等。
ゲルなどのモンスターをローラースケートで蹴り飛ばしており、投石などでロストさせていることすらある。
(この辺はデジモンセイバーズに近い)
原作だと調教師助手のホリィさんすらナイフで応戦しており、ゲームの生ぬるい世界観は通じない。
戦闘は常に命がけであり、戦いの中で数々のモンスターがロスト(死亡)していく。
世界観は一見ファンタジー世界に見えるが、主題歌(風がそよぐ場所)や歴史からすると現代の地球かそれに近い文明が滅びた後の未来世界と考えられる。
人間の業が文明を滅ぼして後の人々を苦しめたとする設定は、「風の谷のナウシカ」に近いものを感じる。
モンスターは人間によって作られた人工生命体であり、兵器や労働力として使役されている。
未だに奴隷として扱われて死んでいくモンスターは多く、ワームが虐待される話は現実のペット問題への皮肉とも取れる。
ムーや四天王を筆頭にするワルモンが人間からの解放を求める者達だと考えれば、一概にそれらが邪悪とは言えない。
・人間との共存とヒノトリの復活を目指すヨイモン
・人間からの独立とムーの復活を目指すワルモン
どちらも大義を掲げて戦い、それぞれの理想のために散っていく。
見た目にそぐわない重いストーリーこそが本作の最大の魅力。
こういう重厚な冒険アニメって、もう現れないんだろうか?
ちなみに続編「伝説への道」も製作されたが、大会をメインとした平和な内容にシフトしたせいか人気が低迷して打ち切られている。
やはり原作を完全に無視した一期の脚本が大きかった。