二次元桃源郷(アニメ、漫画、ゲーム感想)

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正解するカドネタバレ考察 ヤハクィザシュニナとドラえもんの関係

2017年春の個人的アニメランキング1位に内定した「正解するカド」だが、今週は総集編で先が気になって仕方ない。

せっかくなので、今後の展開と作品の意図について予想してみたいと思う。

 ※ネタバレ全開なので注意

 


 

 

6話「テトロク」の時点で、異方存在ザシュニナは二つの技術を人類に提示した。

 

①無限に電力を供給する装置(ワム)

②眠らなくてすむ技術

 

不眠不休で働けることに日本のサラリーマンがどう反応するのかは見てみたいのは確かだが、重要なのはそこではない。

2つ目が出てきたということは、今後次々と異次元の超技術が出てきて、世界中の人々が巻き込まれるだろうということだ。

そう、ドラえもんの秘密道具に振り回された野比のび太のように。

 

未来と異方の違いはあれど、ザシュニナとドラえもんのやっていることは大差ない。

今の人類には持ちえないオカルトじみた科学技術を与えて、人々に夢と変革ももたらしているからだ。

カドがパクリやオマージュと言うつもりは全くないし、カドの方が脚本も映像も優れていると思うが、本質的には似たような作品なのではないだろうか?

 

ザシュニナの目的が実験なのか仲間づくりなのかは不明だが、「人よ、正解されたい」と言っている以上、何らかの答えを求めているのは確か。

つまり、技術を与えることで人間がどうなるのか知りたいのであろう。

教科書の通りの模範回答があってそこに導こうとしている可能性もあるが、個人的には「どんな答えでも構わない」のではないかと思う。

ドラえもんだってのび太に道具は与えても、それの使い方について細かく口出しはせず、のび太の自主的な成長を目的としているのだし。

 

超技術を与えられた人類がどのような道を辿るのかは、現時点ではわからない。

労働や睡眠から解放されて、理想郷を作るのか。

あるいは技術を拒否して、元の生活に戻るのか。

はたまた技術の扱いを間違えて、地球ごと滅んでしまうのか。

 

しかし、過去の例を振り返ると、あまり上手くいくイメージは湧かない。

ドラえもんの話は(全てではないにせよ)失敗ばかりで、未来の道具を有効活用できた試しが殆どないからだ。

「赤い靴の思い出」のような例外も稀にあるが、のび太は常に秘密道具の扱いを間違えて自爆してきた。

対象が日本国政府になったところで、異方人から見たらあまり変わらないのではないだろうか。

故に「異方の技術に振り回された人類が大打撃を受け、我が身を振り返って反省する」結末になる可能性が高い。

もっとも、それは私が見たいエンディングではないが。

 

「パンを分け与える可能性の高い地域」を探したり、人類にまずエネルギー源を与えて三大欲求(睡眠)にシフトしたりする手際を見るに、ヤハクィザシュニナはやけに手馴れているという印象を受ける。

あくまで個人的な予想ではあるが、今回が初めての試みではない気がする。

これまでも何度も同じ実験を繰り返したか、あるいは別の平行世界で同時に行っているのではなかろうか?

最終話で「私は1万2千回の実験を繰り返したが、君達が初めて正解を出した」とか言い出しても驚きはしない。

科学者という何千何万回も試行錯誤して、新しい発見を得ようとするものだ。

同じようにザシュニナも気の遠くなるような実験を繰り返して、まだ見た事のない答えを得ようとしているのではないか?

 

ドラえもんのようなバッドエンドを量産するのは簡単だが、安易な結末では全く面白くない。

これから人類がどのような道を辿るのかは不明だが、ザシュニナや視聴者が驚嘆するような正解をぜひ見せてほしい。