ジャンル:特撮ヒーローSF+百合
著者:高遠 るい
特徴:ウルトラマンのパロディに見せかけた壮大な物語
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二人の女子高生が合体して巨人となり、全裸で怪獣と戦う漫画。
それも進撃の巨人に登場する女型の巨人のように色気のないものではなく、まんま女子高生が巨大化して宇宙から飛来した超銀河生命体と死闘を繰り広げる。
初期の作品なのであまり絵は上手くないが、素っ裸の美女が怪獣に飛び蹴りをくらわしたり、ぶった切ったりする姿は痛快。
それだけ見るとただの一発ネタだが、この漫画の真価は張り巡らされた伏線と、宇宙規模の壮大なストーリーにある。
物語中盤から展開が急変し、稀に見るほど大きな風呂敷を広げ、見事畳み切っている。
タイムスリップの挙句キリスト教と宇宙怪獣を融合させ、人類の宇宙進出を目指す展開など、一体誰が予想しただろうか?
最後まで読んで、これをウルトラマンのオマージュなどと呼ぶ輩はおるまい。
個人的に気に入ったのは、イエス・キリストを裏切ったユダに対して、ロンダリング星人が神様のことを説く台詞。
「神様達は闘争で忙しい。お前達の小さな罪をいちいち裁いたりはしないよ」
毎度毎度ぶっとんだ漫画を描く人だが、このスケールの大きさにはいつも感心させられる。