今期は懐古ものやタイムリープものが目立った。
オタク層が高齢化することで、アニメの需要も変わりつつあるのだろうか。
大賞:葬送のフリーレン 評価A
最初からクライマックスどころか、最初からエピローグ。
ドラクエ的勇者が世界を救い、老衰で亡くなった後に紡がれる物語。
漫画版より若干派手になっているが、淡々と過去を振り返る切なさは健在。
半生を終えた年寄りには、時間の流れの残酷さと優しさが突き刺さる。
戦闘の少ない序盤が一番面白いので、とにかく最初から観るべき。
次点は以下の通り。
・16bitセンセーション ANOTHER LAYER 評価B+
アラフォーのギャルゲー世代に限れば、フリーレン以上にぶっ刺さるかもしれない。
驚くことに過去の名作エロゲが実名かつ実際のパッケージで登場し、それを開くことで過去にタイムスリップできる。
いったいどんなツテを使ってこんなコラボをしたのか知らないが、当時熱心にそれをプレイした層に懐かしいどころの騒ぎじゃない。
ギャルゲーを作って歴史を変え、自身の愛したアキバを破壊して後悔に苛まれる、シュタゲ風展開も面白い。
・薬屋のひとりごと 評価B+
後宮における推理もので、作画や演出はスクエニ版に倣っている。
地位の低い下女が自らの功績を誇ることなく事件を解決していく様は小気味いい。
・進撃の巨人 The Final Season 完結編 評価B+
言わずと知れた巨人バトルの金字塔。
大迫力の作画で完結まで描き切り、さらに原作者の希望で一部修正されている。
過去の巨人を結集させた総力戦を描く大迫力の映像には、驚嘆するしかない。
ワースト:ポーション頼みで生き延びます! D-
前作の金貨8万枚よりさらに悪い、ご都合主義チート迷惑異世界転生。
神を半ば脅して手に入れたポーション能力がドラえもんの秘密道具ばりに万能で、世界のバランスを完全に崩壊させている。
転生チートを付ける前に、主人公に最低限の倫理観を付与してやれ。
以下、雑感
・アンダーニンジャ C
独特の雰囲気とノリを伴った忍者活劇だが、忍者の組織や役割がよくわからない。
敢えて女性を可愛くしないリアル寄りだが、原作よりは若干マイルドになっている。
・アンデッドアンラック C-
設定がかなり大味な特殊能力バトル。
主人公が死なないのがわかりきっているので、まるで緊張感がない。
キャラの等身が不自然に低く、特にマッチョ男は違和感が強い。
・ウマ娘 プリティーダービー C
競馬に興味ないと観るのが辛い。
・MFゴースト D-
頭文字Dと同じく、キャラデザが致命的に気持ち悪い。
・陰の実力者になりたくて! D+
作画は良いが、基本はなろう転生のテンプレ+中二病。
男貴族を悪役にして倒し、女性キャラに主人公をマンセーさせるお決まり展開はもう止めてほしい。
・カノジョも彼女 C+
二股から四股になりかけている色気コメディ。
設定は最低の浮気男だが、意外と粘って二股に留めようとするので逆に誠実に見えてくる。
・鴨乃橋ロンの禁断推理 D
デスノートのLの劣化版。
ホモ臭いバディと調子に乗った探偵が不快。
・帰還者の魔法は特別です D
最近増えたタイムリープ異世界もの。
一見誠実そうに見えて上から目線で、未来のカンニングで試験を突破する主人公が腹黒い。
貴族を平民を蔑視する悪者に描くテンプレ設定は、つくづくクソ。
本当に未来を改善したいなら、学園で仲間割れしてる場合じゃないだろ。
・君のことが大大大大大好きな100人の彼女 C
『カノジョも彼女』のヒロインをさらに増やした、脅威の100股。
みんなアホで物事を深く考えないので、いくら浮気しようがどうでも良くなる。
・キャプテン翼シーズン2 ジュニアユース編 C-
20年ぐらい遅れたアニメ化。
好きな漫画でも、流石に時代遅れの感が強い。
・経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話 D
弱者男子の都合の良い妄想。
女性はヒエラルキーで相手を選ぶから、こういう都合の良い妄想を見せられても覚めるだけ。
・攻略うぉんてっど!~異世界救います!?~ D+
女の子がピーチクパーチク喚きながらゲームを攻略するので、ぶっちゃけ煩い。
・ゴブリンスレイヤーⅡ C
ゴブリンを狩る信念はブレないが、それではイマイチ話が広がらない。
やることが変わらないので、一期で飽きてしまった。
・婚約破棄された令嬢を拾った俺が、イケナイことを教え込む D
イケナイと言いながら厚遇するだけなので、肩透かしの気分。
・最果てのパラディン 鉄錆の山の王 B
異世界転生ものというより、ゲド戦記のようなハイファンタジーに近い。
ナーロッパと違って魔法や信仰に対して真摯で、地に足のついた英雄譚になっている。
アニメも悪くないが漫画版が神作画なので、そっちを勧める。
・SHY D+
優しいヒーローというコンセプトなんだろうが、ウジウジ悩む煮え切らない女の子という印象。
ヒーローに必要なのは悪を倒す力と知恵であり、それがなければいくら人格を高めても意味がないだろう。
・シャングリラ・フロンティア B
作画は頑張っている、漫画版は超えられなかった。
世界観を補強するために追加した部分がかえって普通のゲームに近づけ、神ゲー連呼によって過大評価に思えてしまった。
話の展開が遅くて、本当に面白い所まで進めていないのも残念。
・呪術廻戦 B
公式チートキャラの五条悟が封印されて戦力バランスが敵に偏り、これまでより格段に面白くなった。
即座に何百人も虐殺できる呪霊に対して住人に危機感がなく、呪術師側が無策すぎるのが気になる。
非効率な戦いで無暗に犠牲を増やしてないか?
・SPY×FAMILY C
偽物家族のホームコメディから、殺し屋のバトルアクションに近くなっている。
ヨルさんの覚醒はこれはこれで良いのだが、期待とはややズレている。
・聖剣学院の魔剣使い D
よくある転生チートハーレムで、特に目新しい点はなさげ。
・盾の勇者の成り上がり B-
各勇者の闇落ちから面白くなる所だが、展開が駆け足で残念。
漫画版の方が良い。
・ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~ B
リゼロの女性版みたいなタイムリープで、ミーア姫が可愛すぎる。
ギロチンを回避する目的が明確で、ご都合主義的展開にもナレーターが的確な突っ込みを入れてくれるので、視聴者は安心して楽しむことができる。
・デッドマウント・デスプレイ D+
逆転生の設定は面白そうだが、主人公に主体性がないので全く燃えない。
ギャグがとにかくスベっている。
・とあるおっさんのVRMMO活動記 D+
レベルダウンしたシャンフロ。
普通にゲームを攻略するだけなので、見る点はない。
・東京リベンジャーズ 天竺編 D
キャラの体格がおかしくて迫力が出ない喧嘩。
大勢で殴り合うのはOKなのに、ナイフで殺すのはダメって思考がバカすぎる。
・Dr.STONE NEW WORLD B
子供にぜひ読ませたい漫画ナンバー1。
ためになる科学知識と熱いバトルを両立している。
・はめつのおうこく B-
魔女狩りとそれに対する報復がとにかく残酷。
容赦なく人が死んでいくので、グロ耐性のない人は注意。
・ひきこまり吸血姫の悶々 C-
女の子は可愛いが、残念ながら制作会社が力尽きて作画が劣化してしまった。
死んでもすぐ生き返り、主人公が覚醒で無敵になる設定のせいで緊張感が失われている。
・ビックリメン D
ターゲットがビックリマンチョコを買っていた中年なのか、最近の子供なのかよくわからない。
・豚のレバーは加熱しろ B-
豚に転生したと思ったら、性格もブタ野郎だった。(誉め言葉)
都合の良いチート能力とかはなく、自分の知恵と機転で少女を守ろうとする豚野郎が恰好いい。
・冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた D
自分で成り上がるならともかく、娘を利用して自尊心を満たそうとする手法に辟易する。
こんなのがSランクで父親はさらに上なら、冒険者はどんだけレベルが低いんだ。
・暴食のベルセルク D
他者のスキルを奪って強くなるタイプは、チート能力の中でも安っぽくなる。
何でもありでどんどん能力を吸収してしまうので、すごいつまらない。
・ミギとダリ C
双子のシュールギャグと思いきや、親の敵を探すミステリーだったりする。
緊迫した状況下でもギャグ要素を混ぜるので、シリアスなのかコメディなのか判断に困る。
・七つの大罪 黙示録の四騎士 D
『七つの大罪』の続編だが、前作にも増して粗雑な作り。
敵の騎士の斬撃で身体を切断して後ろの壁まで切れてるのに、なぜかピンピンしてる主人公に呆れた。
前作は魅力的なキャラもいて盛り上がっていたが、本作は見る影もない。
・ラグナクリムゾン C+
序盤は竜への復讐しか考えない主人公で味気なかったが、ぶっ飛んだ銀器姫の登場によりいい具合に味付けされた。
竜側も単なる獣ではなく癖のあるキャラが多いので、意外と面白い。
・私の推しは悪役令嬢。 D+
悪役令嬢を推す百合ヒロインは設定としてはいいが、いかんせんキャラデザが凡庸。
推すキャラには相応の容姿と性格が伴わなければ、説得力が生まれない。
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