ジャンル:バーチャルRPGノベル
特徴:設定がSAOと殆ど同じ
ソードアートオンラインを初めて読んだときの感想は、設定に全く新鮮味がないということだ。
その理由は、SAOより十年以上前にクリスクロスというライトノベルを読んだから。
クリスクロスの話をまとめると、以下のようになる。
・新作ヴァーチャルリアリティゲームに参加
・途中から急にログアウトできなくなる
・怪我をしたら痛みを感じ、ゲーム内で死ぬと現実でも死亡する
・誰かがゲームをクリアするまで、全プレイヤーは解放されない
・デスゲームを仕組んだ犯人は開発者
・仲間の中にスタッフがこっそり入り込んでいる
主人公のゲイルの職業が盗賊だったり、全体的に大人びたキャラが多かったり、細かな差異はあるが、設定の殆どが同じ。
SAOのファンがクリクロを読めば、あまりの類似性に驚くだろう。
別にSAOやログホライズンをパクリと呼ぶつもりはない。
MMOをテーマにした作品は沢山あるし、空想の世界ではゲームの世界に閉じ込められるのは日常茶飯事だ。
だが、同じ電撃ゲーム大賞で受賞したクリクロがそこそこ有名だっただけに、「もうちょっと捻れよ」と思ったのも確か。
クリクロにはSAOのような萌え要素はないが、話としてはよくまとまっている。
むしろこの内容がたった1巻でよくまとめたものだと思う。
SAOのようなご都合主義は少なく、登場人物や行動に説得力があるのも良し。
・戦士や魔法使いを選んだプレイヤーが多すぎて、僧侶職が足りなくなる
・ヒーラーがMPをケチって仲間を死なせ、嫌われる
・装備が足りないので倒した鬼面武者から剥ぎ取る
といった実際のゲームでありそうな描写が多く、話に入り込みやすい。
非現実を利用した過酷なトラップや、仲間の死を乗り越えてドラゴンに挑むラストバトルも熱い。
総合的に見ればSAOより面白かったと思う。