<あらすじ>
ヴィーガンテロリストが生物科学研究所から救出したチンパンジーから、半人半猿のヒューマンジーが誕生した。
チャーリーと名付けられたヒューマンジーは人間の両親のもとで育てられ、高校に入学。
混血種の立場から「テロ」「炎上」「差別」といった人間の問題に直面することになる。
「このマンガがすごい!」の受賞作品だが、文句なしに凄い。
現代社会が抱える倫理の問題に真っ向から向き合い、
「命の権利はどこまで認められるか?」
を読者に問いかけている。
はっきり言ってしまえば私達民衆にとってヴィーガンは「道徳を取り違えたカルト集団」でしかない。
「なぜ動物を食べるのはダメで植物ならいいの?」
「正義のために破壊行為をするのは本末転倒じゃない?」
そう思ったことは君にもあるはず。
だが彼等は決して頭が悪いわけではなく、筋の通った理屈があることをこの作品は示している。
共感はできなくても、理解はできるのだ。
普通の人は肉や魚を『守るべき同胞』とは見なさい。
人には人権があるが、ヒューマンジーは人ではない。
読者は主人公であるヒューマンジーに感情移入するが、それは同時にヴィーガンの主張である「人間以外の権利」を認めることになってしまう。
このジレンマが実に興味深い。
・一般人 「生存権があるのは人間だけ」
・チャーリーの家族や同級生 「ヒューマンジーにも人権を!」
・ヴィーガン 「できるだけ多くの命を苦痛から守ろう」
果たして、権利はどこで線引きされるべきなのか?
動物解放同盟(ALA)の思想は正義なのか、それとも偽善なのか?
答えを知りたい方はぜひ本書を手に取ってみてほしい。
1話は以下のサイトで無料で読める。