|
<あらすじ>
女神によって喚ばれた召喚者達は、授かったチートスキルを私利私欲のために使い、人々を虐げていた。
そんなチート召喚者たちの対抗策として女神はカイナを呼び出し、傍若無人なチーター達を討伐させるのだった。
なろう系異世界チート無双に対するアンチテーゼ。
転スラ、オバロ、スマホのように異世界転生者がルール無視の暴力で現地人をねじ伏せる作品に対して「小学生にマウントを取る中学生」のような不快感を覚えた人が多いと思うが、それを叩きのめしてくれる痛快な漫画がこれ。
同種の作品に「異世界転生者殺し -チートスレイヤー-」があったが、そちらは他作品のキャラをあまりにも露骨にパクったため、批判殺到で伝説の一話打ち切りになってしまった。
筆者は屍姫の赤人義一先生だけあってアクション作画は素晴らしく、敵味方問わず心情描写も巧み。
チーター側の現実社会での苦悩や葛藤から凶行に及んだ背景を描いた上で、それでも世界の秩序を守るために容赦なく裁く展開は実に良い。
どこぞのスライム王や骸骨王にもカリナの鉄槌を下してほしいところだが、それをやるとチートスレイヤーの二の舞になってしまうか。
落第、失業、失恋など現実の競争に敗れた日本人が都合の良い異世界に逃げようとする心理は痛いほどわかるが、だからといって他人の縄張りを荒らし、自分より弱い人々を不満のはけ口にしてはいけない。
現実逃避してゲーム脳に嵌ってしまった中二病患者には、大人の鉄拳制裁が必要だろう。
|