今期は例年以上の豊作。
他期ならトップに値する良作は複数あったが、最もイカれたメイド(ヤクザ)のインパクトが強すぎて大賞にせざるを得なかった。
大賞:アキバ冥途戦争 評価A-
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メイド=ヤクザ
萌え=任侠
おひねり=上納金
メイド喫茶と極道。
絶対に相容れない二つの要素をすり替えた狂気のアニメ。
主人公のなごみはご主人様を喜ばせる店と思ってメイドカフェに就職したが、その実態は完全に暴力団。
裏では銃声と刃物が飛び交い、売上は組に上納される。
いや、マジで最近のヤクザ映画以上に精算な殺し合いが行われ、ひたすら命が軽い。
心を通わせた義姉妹も、世話になった同僚も、次々と凶弾に倒れていく。
メイドでありながらヤクザ。
一つの言葉に二つの意味があり、常に視聴者を混乱させ続ける。
果たしてこれは萌えアニメなのか、抗争アニメなのか。
メイドは奉仕者なのか殺し屋なのか、はたまた忍者なのか。
不条理な戦争の中で、なごみは叫ぶ。
『メイドって何なんだよ!?なぁ教えろよ!』
いや、それは視聴者が聞きたいんだが。
次点:ブルーロック 評価B+
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ワールドカップに時期を合わせたのもあって、一躍有名になったサッカーアニメ。
キャプ翼などサッカー漫画は大抵チームワークを重要視するが、こちらは徹底的に個人の能力の開花、エゴイストを追い求めているのが面白い。
徹底的に歪んだ監督と蹴落とし合いの中、信頼と裏切りを通じて選手たちのエゴが目覚めていく。
本当にこういう方法で最強のストライカーが生み出せるかはわからないが、物語としては使い古された友情プレーよりよほど面白い。
日本人が和を大事にする民族だからこそ、他を出し抜くエゴさが必要とされているのだろう。
次点:機動戦士ガンダム 水星の魔女 評価B+
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久々のガンダム新作にして、まさかの学園・百合。
TVシリーズ初の女性主人公がタヌキかわいい上、女性の婚約者というかなり狙った設定にビビっときた。
それでいてガンダムならでは重い過去や黒い大人達の権力闘争もあり、古いガンダムファンと新規のどちらも満足できる作品になっている。
ワースト賞:勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う D-
タイトルで内容を全て説明する、いつものなろう追放系。
題名だけで駄作とわかる親切設計に涙。
仲間に理解されず追放されてからその有能さが判明するテンプレ展開は、それだけで嗚咽に値する。
さらに偶然最強種の猫耳娘(別作品と丸被り)と出会い、借りた力で絶賛されるご都合主義展開に吐き気をもよおす。
だいたい猫が最強種って何やねん。
わざと突っ込まれたくていい加減な設定にしてるのだろうか。
以下雑感
・アークナイツ【黎明前奏/PRELUDE TO DAWN】 D+
ケモノ耳生やした人々がシリアスな戦争をしているが、原作ゲームやってないのでよくわからない。
もう少し初見に入りやすい形にすればいいのに。
・悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました D
よくある悪役令嬢転生もの。
主人公に都合よく利用される魔王がご都合主義で嫌い。
・異世界おじさん B
一時放送休止だったが、待望の再開。
なろう系のテンプレであるフラグを叩き折りつつ、それでも萌える女性陣の描写が良い。
・宇崎ちゃんは遊びたい!ω D+
くっつきそうでくっつかないカップルの関係に疲れた。
やるならさっさとやってしまえ。
・うちの師匠はしっぽがない D
落語家に憧れた狸の物語だが、肝心の落語がつまらなすぎてどうしようもない。
落語とアニメは相性が悪すぎて、『じょしらく』ぐらい毒がないと観れない。
・うる星やつら D+
懐かしい作品だが、古臭くて令和の時代に観るのは無理がある。
・陰の実力者になりたくて! C-
よくあるなろう系転生ものだが、陰で暗躍するダークヒーローに憧れる中二系でもある。
主人公はアホな中二病だが周囲はクソ真面目に戦っているので、ギャグなのかそうでないのか判断が付きかねる。
・「艦これ」いつかあの海で D
原作ソシャゲやってないので可憐な少女が戦艦という設定がいまいち飲み込めない。
さらに敵の姿がろくに描写されないまま撃沈されるので、戦艦のコスプレした少女が勝手に沈んで悲壮感を漂わせているように見える。
・クールドジ男子 D-
男がクール男子のドジを見たって、全く面白くないぞ。
・後宮の烏 C
話は悪くないのだが、後宮ミステリーというジャンルには強力なライバルがいるせいで比較してしまう。
これより薬屋をアニメ化したらどうか。
・新米錬金術師の店舗経営 D-
子供向けゲームみたいなスカスカ経営。
周囲の村人が善人ばかりだったり、錬金術師なのにバトルしてたり、適当すぎるだろ。
・聖剣伝説 Legend of Mana -The Teardrop Crystal- D-
ゲームの世界観やデザインをアニメに持ってこられても、違和感しか感じない。
・チェンソーマン B+
いい塩梅にエログロが決まっている、センスの良いダークヒーローバトル。
主人公のキャラが良い意味で低俗なため、欲求不満な中年男性に刺さりやすい。
顔も知らない人々を守るために命を賭けるよりも、隣にいる女の乳を揉むために戦う方がずっと人間らしい。
・転生したら剣でした C-
なろう系転生オレツエーの主人公を剣にして、その臭さを誤魔化した感じ。
ヒロインのネコミミ少女は可愛いが、本質はやっぱり無限スキル取得の俺様無双でしかない。
・Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ- D
わざわざアニメでDIYをやらんでも。
実用性を考えるならリアルの映像でいい。
・農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった。D-
いつものなろうゴミ。
一流のシェフだって剣道初段に勝てないんだから、その設定は無理がある。
・ピーター・グリルと賢者の時間 Super Extra C+
清々しいほどシンプルなエロコメディ。
亜人とヤるだけ。
・夫婦以上、恋人未満。 D+
学校のカリキュラムで夫婦生活を送って子供を作らないって、無理だろ。
遠くの本命より近くの異性に惹かれるのはわかるが、本来の目的を忘れて浮気してるように思える。
・不徳のギルド D
モンスターに襲われてラッキースケベ。
しかし、絶望的に絵が酷くて興奮しない。
・BLEACH 千年血戦篇 B
原作漫画に忠実ながら、空いた部分を補完してそれ以上の作品に仕上げている。
初代護廷十三隊や剣八VS卯ノ花八千流の戦いは、長年のジャンプ読者にこそ観てほしい。
・ベルセルク 黄金時代篇 MEMORIAL EDITION C+
前期の荒っぽかったCGアニメはかなりマシになり、映像としては迫力が出てきた。
だが、やたら残酷で鬱な展開になるため、今まで以上に人を選ぶ。
・ぼっち・ざ・ろっく! C
けいおんの後継というか、綺麗なもこっち。
世間では過大評価されているが、とてもけいおんに及ぶような音楽ではない。
・虫かぶり姫 D
言い訳がましいシンデレラ。
名目上の婚約者と言い訳しておいて、ちゃっかり王子様を手に入れる展開が好きになれない。
・4人はそれぞれウソをつく B
一見すると女子高生の日常ものだが、各人の背景がぶっ飛んでいるギャグアニメ。
女装少年、超能力者、忍者、宇宙人、互いが素性を知らずにすれ違うのが面白い。
・恋愛フロップス C
ラッキースケベからのハーレムで終わればいいのに、わざわざ仮想空間でのシリアス展開に持ち込んだために台無しになってる。
・羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来 D
中国製だからか、日本人のセンスに合わない。
NHKの教育アニメかと思うぐらい退屈だった。