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<あらすじ>
頻繁に怪獣が発生し、防衛隊によって退治される日本。
防衛隊を目指す日比野カフカは謎の生物によって怪獣化し、それを隠しながら怪獣討伐を担うことになる。
ウルトラマンや仮面ライダーなど、名作と言われる作品の良い点を上手く取り入れた漫画。
使い古された設定を組み合わせながら、その完成度は極めて高い。
・防衛隊と隠れたヒーローで怪獣退治→ウルトラマン
・敵の怪人から力をもらっている→仮面ライダー
・仲間と入隊試験→ヒーローアカデミア
設定はウルトラマンが最も近いのだが、話の流れはむしろワンパンマンに近い。
・ワンパンマンのサイタマ→最強だけど諸事情で最初から参戦できない
・怪獣8号のカフカ→最強だけど正体がバレるからすぐ参戦できない
ワンパンマンはS級ヒーローの見せ場を作るために、一撃で敵を倒すサイタマの到着を遅れさせている。
本作も主人公は過去最大級のネームド怪獣であり、常に全力を使える状態だと他の隊員の活躍の場を奪ってしまう。
そこで「怪獣であることがバレないように力をセーブする」という理屈を作り、ワンパン以上に自然な流れで仲間の見せ場を用意している。
特に刀で怪獣を両断する副隊長は、この設定の恩恵を受けまくっている印象。
さすがに画力は村田絵には及ばないが、戦闘シーンの迫力は素晴らしい。
何より幼馴染と並びたいという、夢を追い求める情熱は、ワンパンマンにはないものだ。
過去の名作の長所を取り入れながら、それを調理しきった手腕は見事と言う他ない。